ボランクロスの陰影に「椿」を宿して。

先日ご来店いただいたお客様は、湘南から福岡へ移住して来られたばかりとのこと。

新たなホームブレイクでの相棒として、VECTOR BRANDを見つけ足を運んでくださいました。

今回チョイスいただいたのはノーズライダーモデル「STANDARD」。試乗でそのフィーリングを確かめていただき、そのままオーダーをいただきました。

今回のカスタムオーダーで特に印象的だったのが、「『椿』の花をイメージしたデザインにしたい」というご要望でした。それも、「白い椿」。

サーフボードというキャンバスの上で、この美しい引き算の美をどう表現するか。オーダーシートを前に、二人でじっくりと練り上げました。

単にレジンカラーやエアブラシで花を表現するのはありきたりな気がする….。

職人としてもう一歩踏み込んだ表現がしたいと考え、最終的に提案させていただいたのが、ボランクロスを用いたデザインパッチでした。ガラス繊維のボランクロスを重ねる事で生まれる独特なグリーンの濃淡。このクリアなグラデーションを利用して、光の加減で浮かび上がる「白い椿の花弁」をイメージしました。

クラシックな質感の中に、凛とした気品が漂う、特別な一本に仕上がっています。

デザインの最終的なピースとして、重なり合う花弁の中央に黄色のディケールを配置しました。

ボランクロスの幾何学的な重なりに対して、このイエローのロゴが加わる事で、全体の印象が「椿の花」として鮮明に浮かび上がります。ロゴ自体を「花芯」に見立てるというカスタムならではのギミックです。

ボトムのカラーは椿の葉のようなしっかりとした深緑。

デッキ面の白い椿と対をなすように、ボード全体で一輪の椿の木を表現しました。

そして、このボードに合わせるフィンは、木や土といった自然の温かみイメージさせるブラウンカラー。

オリジナルブランド「Synchro(シンクロ)custom fin」のモデル Step Aheadの10インチです。

ピボットとドライブの塩梅が最高で、高いホールド感はノーズライダーのポテンシャルを最大限に引き出してくれます。

カタログにあるものを売るのではなく、その人のストーリーや背景、そして好みをすくい上げて一本の形にする。これこそがカスタムオーダーの醍醐味だと改めて感じました。

新しいホームブレイクでの波乗りが最高の時間になりますように。

VECTOR BRANDを選んでいただき、本当にありがとうございました。

Model:STANDARD

9’5″ x 23″ x 2 7/8″

Shaped and Glassed by Yoshito Shirouzu

Finished and Fin crafted by Yuya Suzuki

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