お待たせいたしました。ついに理想のキャップが形になりました。
素材はコットン100%。
ポプリンのような清潔感がありつつ、どこか「レンガ作り」を思わせるような、細かく整列した表情のある生地を選びました。
厚すぎず、薄すぎず。一年中、気負わず被り倒せる。そんな、僕らにちょうどいいスタンダードです。

キャップ作らないの?ってここ数年言われ続けてきてましたが、近年、周りの友人、知人のお店で取り扱っているキャップがどれも同じボディーで、僕も数あるメーカーのボディーから選ぶのが普通でした。でも、どれを手に取っても「何かが違う」という感覚が拭えなかった。
ちょっとスタイル的に若すぎたり、浅すぎて被り心地が心もとなかったり。ツバが長すぎたり、逆に短すぎてバランスが悪いものもある。
その「ほんの少しの違和感が」毎日かぶる道具としては致命的。
こだわりだすとキリがないのですが、そこは『めんどくさがりの凝り性』が発症してしまいまして、ずっとずっと模索し、工場も探していたわけです。
そんなある日、いつものように海に入っていると、ひとりのロングボーダーが目に留まりました。
「なんか見覚えあるボードだな….」
確信を持って声をかけました。「あれ!〇〇さんですよね?」
10年、いやもっと前に何度かボードのリペアをお持ち込みになられていたお客様。いつもニコニコ感じがよくて、ボードも名前も特徴的だったこともあり、忘れっぽい僕もしっかりと覚えていました。
相手の方も気づいてくれていたようで、
「やっぱり白水さんですよね!お久しぶりです」と。
色々と大変な時期があり、しばらく海から離れていたそうで、本当に久しぶりに波乗りに来たところで遭遇するという、奇跡的な再会でした。
会話が弾むなか、ふと思い出して聞いてみました。
「〇〇さんって、帽子屋さんでしたよね?」
「そこまでよく覚えてますね(笑) そうなんです。実はコロナ騒動で大きな打撃をうけて、今は以前ほど手広くはやってないんですよ」
「実はオリジナルのキャップを作れるところをずっと探してて、もしよかったら、お願いできませんか?!」
そんな久しぶりの再会からこのキャップ作りは動き出しました。僕の「めんどくさい凝り性」を全て受け止めてもらい、何度も打ち合わせと試作を繰り返し、トップのカーブから深さ、ツバのサイズまでミリ単位で調整。
ようやく出来上がった、ストーリーのあるキャップです。

裏の芯を張らずに立ちすぎないフロントの前立て。
一般的なキャップはここに厚い芯地を張ってカチッと立たせますが、それだとどうしても「ベースボールキャップ」っぽさが強くなって、僕らのスタイルには少し子供っぽく感じてしまう。
そこで、あえて芯を入れずに仕上げました。被ったときにクラウン(頭の部分)が立ちすぎず、自然に頭のラインに馴染む。この「くたっとした」ニュアンスが、大人のリラックス感を演出してくれます。

ずっと探していた「浅すぎず、深すぎない」絶妙なシルエット。

バックはあえてレザーではなく「スナップバック」を選びました。
レザーで高級感を出す選択肢もありましたが、このキャップには少し「チープ」でラフな雰囲気が欲しかった。海上がりでも、作業中でも気兼ねなくガサツに扱える。その「道具」としての潔さが、このボディーにはしっくりきます。
良い意味で気取らない僕ららしいデイリーウェアとしてのバランスを整えてくれています。

日本の職人さんにお願いしてよかったと思うのは、こちらの「なんとなく」なニュアンスを、確かな技術でカタチにしてくれるところ。
大量生産の既製品には出せない、この手に取った時のしっくりくる感じ。日本のものづくりへのリスペクト。
誇らしい「Made in Japan」。

オリーブ

ネイビー

ブラック
このブログを書く前に、タイミングよく店頭に来ていただいた方が手にとってくださり、すでに数が少なくなってしまいました。
ストックがなくなり次第完売、この生地での再販はありません。
今後もこのボディーのカタチで作り続けていく予定ですが、この生地はこれで最後です。直接キープも承りますのでお早めにご連絡ください。
こちらのオンラインストアもご利用ください>> https://vectorbrand.theshop.jp/items/140072954
それと、今回このような「縁」があり、色々とお話を伺うことができました。やはり海外の安価な工場に仕事が流れてしまい、日本の優れた工場が畳んでいるところも多いようです。
もし僕の周りで「こだわりのオリジナルのキャップを作りたい」という方がいましたら、ぜひご相談ください。僕が窓口になりオリジナルのお手伝いをさせていただきます。





